Rokkodo/Vivienne Westwood RED LABEL 静岡店

  

フルーツパフェ、フルーツサンド、フルーツポンチ、フルーツジュース、フルーツサラダ、クリームソーダ、ホットケーキ、プリン・ア・ラ・モード、アイスクリーム・・・。
黒いプチドレスに白いエプロンを着けたウエイトレスさんが私のオーダーのタイミングを見ている。
そこは、フルーツパーラー。1910年代「果物食堂　フルーツパーラー」と呼ばれ始まった。吹き抜けの天井、モザイク柄のタイルの床、観葉植物が置かれ白に淡いピンクや紫が基本。100年前のフルーツの味ってどんな味なんだろう。メニューにあった当時の物語から思いを巡らせた。何にしよう？　　　・・・決められない。サクランボ、リンゴ、ブドウ、メロン、桃、梨、パイナップル、バナナ、イチゴ、オレンジ・・・。
同じ色も香りもない。改めて驚く。それぞれの最もおいしい産地より届けられた果物をそれぞれにあった切り方をして絶妙のコンビネーションにより盛り付けられる。どれをとっても間違いない。
･･･決められない。
季節ごとに入れ替わりパーラーのウィンドウを飾る魅力的な姿。　　　・・・決められない。
　私はフルーツを”ウルオイモノ”と呼ぶ。心も体も会話にも潤いを与えリラックスさせるから。家に何か”ウルオイモノ”がないと落ち着かないほど。果物が好きだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・決められない。
麻のスーツにパナマ帽をかぶり、ステッキを持つ初老の紳士が、
プリン・ア・ラ・モードを食べている。
アンティックの小鼻のワンピースに大きなカゴを持った優しげな女性がボードジュレップを飲んでいる。
マニッシュなスーツを着こなし、厳しい口調の女性が、あっという間にフルーツサンドを平らげた。
誰もがひとつひとつのフルーツの味を感じながら楽しんでいた。　　　・・・決められない。
紳士、淑女、少年、少女の皆様。
皆が”ウルオイモノ”を求めてやってくる。フルーツパーラー。
エプロンを軽くなでた後、背筋を伸ばし静かに近づいてきたウエイトレスさん。
オーダー前の楽しみが終わったのが、わかったらしい・・・・・。悩んだあげく、何時も同じになってしまう。
「プリン・ア・ラ・モードをお願いします！！」




  

  

  

  

  

  

  

  

あけましておめでとうございます

本年もどうぞよろしくお願い致します